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Ry0TAの日記

2010-03-12

サーチナ「中国人口学者の推論「一人っ子政策が同性愛者を増やした」?」の記事について、メモ

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中国人口学者の推論「一人っ子政策同性愛者を増やした」?—サーチナ(2010年3月11日)

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0311&f=national_0311_045.shtml

  

Yahoo!ニュースでの転載

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100311-00000073-scn-cn

  

驚くようなトンデモ推論なのだが、ここで気になるのは、人口学者・何亚福氏の推論の内容だけではない。

サーチナの記事(編集担当:金田知子氏)の発信のしかただ。

  

漢語メディア中国関連情報を発信するネットメディアについて無知なので限界はあるが、この記事の背景を、少し調べる努力をしてみる。

(ただし、ざっと、取り急ぎの作業だ。あとでできればまとめなおすと思う。)

  

  人民網が運営するBBSサイト「強国社区」ではこのほど、中国で開催中の「両会(全国人民代表大会中国政治協商会議)」に合わせ、さまざまな社会問題を提起する「2010E両会」が設けられ、多くの分野の問題について、意見交換がなされている。

  

  中国の人口問題専門家で、自身も同サイトで論評を掲載する何亜福氏はこのほど、同サイト上の「同性愛者の人権問題」について言及する論評に着目。同性愛者がここ30年で急激に増えているとの現況にも触れ、理由が人口抑制政策「計画生育(一人っ子政策)」にあるのではないか、との持論を展開した。

  

まず記事が説明する前提が、(分かる人には分かるのかも知れないが)よく分からない。

  

最初に出てくる「2010E両会」とは、こちらだ。

http://elianghui.people.com.cn/2010/index.html/

よく分からないのだが(もうダメだ)、会員登録をして、様々な議題を提起して意見を述べ、それについて投票したり、コメントしたりする、ネットフォーラムだ。中国語が分かる人は、自分で確認して下さい。

  

何亚福氏は、「強国社区」にも多くの論評を掲載しているが(http://bbs.people.com.cn/quickSearch.do?threadtype=1&field=userNick&op=in&content=何亚福&mysrc.x=30&mysrc.y=8&mysrc=搜索)、この「2010E両会」にも人口問題に関する議題をいくつか提起している。

http://elianghui.people.com.cn/forumSearch.do?title=&tt=&user=何亚福&ut=0&filesize=&ft=&keywords=&threadtype=1&select=0&select2=0&textfield=何亚福&stime=&etime=&x=40&y=11

  

この「2010E両会」に、青少年網絡聨合盟により、2月18日付で「关于人权问题-中国同性恋问题(人権問題に関して—中国同性愛問題)」という提案が掲載された。

  

E提案第3761号 已立案:关于人权问题-中国同性恋问题

http://elianghui.people.com.cn/proposalPostDetail.do?id=38466&boardId=2&view=1

  

これに目をとめた何亚福氏は、自分のブログで件の「一人っ子政策で云々」という持論を展開した。

  

计划生育导致同性恋增多—何亚福凤凰博客

http://blog.ifeng.com/article/4502068.html

  

(サーチナの記事ではここが曖昧だが、何亚福氏がトンデモ推論(もちろんこれは、僕の考えだが)を発表したのは、「強国社区」でも「2010E両会」上でもなく、自ブログだ。)

  

  

このブログ記事を、もう少し詳しく見てみたい。

中国語ができないので、エキサイト翻訳に働いて貰う。

  

以下は、段落ごとに機械翻訳にかけ、イミフな翻訳から意味を類推して要約したものだ。翻訳でも本当の意味での要約でもない。読む人は、決定的な誤りをしているかもしれないということを前提に読んで欲しい。

  

私は同性愛の問題について決して深く研究したこともないし、前はこの問題に関心を持ったことがなかった。が、最近「E両会」で人口問題関連の提案を提出したこともあって、「E両会」上の各種の提案を閲覧した。「E両会」で最も人気がある提案は何か?私は皆が関心を持つのは腐敗反対や遺伝子組み替え、住宅問題などだと思っていた。しかし予想外なことに、最も人気がある提案の1つは意外にも同性愛人権問題に関してだ。この提案は2月18日に提出され、3月10日までにクリック数が100万を上回り、支持の拍手は18万以上、署名数は23000人を上回る。むろん、この提案は「代刷流量」のようなものかもしれないが(ここよく分からない)。

  

1つのE提案だけで、同性愛がこのような大勢の支持を得ていると結論づけることはできない。だが今の中国同性愛者は30年前にに比べ非常に増加していることは否認できない事実あり、「同志」という言葉はある人々の間では同性愛傾向を持つ人のことだと理解されている。では、同性愛の増える原因は何か?前にも言ったように、私は同性愛問題についてあまり研究したことがなく、権威のある解答を出すことはできない。だが私個人の推測では、同性愛の増加には多くの原因があり、その1つは中国が1980年からの“1人っ子化”に基づく計画生育を全面的に推進したことだ。計画生育でどうして同性愛が増えるのかというと、2つの原因がある。・・・

  

続く内容は、サーチナの記事に詳しいだろう。

自身の推論を述べたのち、氏はこう結論づける。

  

計画生育は同性愛の増加を招き、同性愛の増加はまた出産率の下降を招く。同性愛者が子供を生むことがあり得ないからだ。同性愛の増加と普遍的な出産願望の低下は次のことを示唆する:中国が将来出産率を上昇させたいとしても、これはとても困難だということだ。中国は1991年以来出産率は低下を続け、すでに約20年になろうとしている。現在中国の出産率は非常に低いレベルにある。中国の人口の持続可能な発展のためには今中国が出産を激励しなければならない、と私は思う。

  

要するに、あまり同性愛について考えたことのない人が、ネットフォーラムで「同性愛者の人権」に賛同する人が多いのを見かけて、「同性愛者、多い!」とシンプルに驚き、ご自分の専門に牽強付会して「なぜ同性愛者はこんなに増えたのか」とブログで自説を上げてみた、というものだ。

  

このトンデモ説(僕のry)がどこかの中国語ニュースサイトで公表され、サーチナの記事はそれを翻訳編集したもの、という形跡は、今のところ僕には見つけられていない。サーチナの記事はこのブログにリンクを貼っているし、サーチナのソースもこのブログじゃないかと思う。もしかしたら、別に記事があるのかもしれないけれど、今のところ僕にそういう記事は見つけられていない。

  

はっきり言って、公のニュースになっていないとしたら、この人の名誉のためには良かったと思う。だって、バカ丸出しだもの。

  

まず発想のシンプルっぷりだ。同性愛者の人権に賛同を示す異性愛者も、いくらでもいる。ネットでは特にその意見を表明しやすいだろう。「同性愛者の人権に賛同=同性愛者=多い=同性愛者が多い!」って、バカもいいとこだ。

同性愛者が増加」って、これまで差別や抑圧の下で声を出せなかっただけだという想像力も働かないのだろうか。

そして推論の内容も,メチャクチャだ。

男が多い性比率の偏りが同性愛者増加の原因って、「同性愛者」は、男性同性愛者のことだとしか考えていない。ヘテロセクシストのおっさんがよくやる初歩的な間違いだ。

「男らしくない」「女らしくない」と同性愛者になる、というのも、みごとにヘテロセクシストのおっさん感覚である。

同性愛者が増えると出生率が下がる」というのも、クラシカルな偏見にもほどがある。90数パーセントの異性愛者の間の出産率の低下を引き起こす問題を放っといて、数パーセントの同性愛者の存在にやきもきしているなんて、この人本当に人口学者?と思う。

  

要するに、あまり同性愛に関心のない、むしろ偏見を持っている人が、ネットフォーラムで「同性愛者の人権」というテーマが好意的な支持を集めていることを意外に思い、「同性愛者が増えたんだねえ、でも、同性愛者が増えると人口が減って困るんじゃないの?」とブログに書きました、という話だと思うのだ。

  

僕も自分がよく知らないことにはバカな放言をする。ブログをやっていると、ネットという公の場でもよくやってしまう。ある分野の専門家も、自分がよく知らないことには変なことも言うだろうし、偏見も垂れ流すだろう。

日本のブログ界でもよくあることだ。

  

むしろ、サーチナがこれをもっともらしい記事に仕立てて発信していることが、僕は非常に不愉快だし、問題だと思う。

  

サーチナの記事は、これがよほど凝った皮肉でないとすれば、このトンデモ推論をそのまま受け入れていると言っていい。何氏は「権威ある回答は出せないが」と断っているが、この記事が権威を与えてしまっている。

  

最後の箇所、

  中国政府のこれまでの推計では、中国における男性同性愛者は約100万―500万人とされている。しかし、同性愛者の権利問題などに詳しい、李銀河氏や張北川氏らをはじめとする専門家は、その数は約3000万人に達し、今後増える可能性もあると指摘している。(編集担当:金田知子)

  

このソースは不明だが、中国同性愛者人口の試算に関するニュースはこれまでにも何度か出ている。

銀河氏による「300万人」という発言は、レコードチャイナの記事になっていた。

  

同性愛者は3000万人!意外と寛容な社会、同性結婚も合法化か?—中国レコードチャイナ

http://www.recordchina.co.jp/group/g12843.html

  

銀河氏は同性愛者やセックスワーカーの権利擁護を訴える有名な学者・アクティヴィストだ。これは僕の推測だが、中国同性愛者が置かれたクローゼット状態についてもよく知っているはずの方であり、「今後も増える」なんて言い方はしそうにない。

だが、サーチナの記事では、こうしたソースが、「一人っ子政策による憂慮すべき同性愛者の増加」という推論の裏付けを誘導するような道具に使われてしまっている。

  

この記事を日本語で読む人は、どんな印象を抱くのだろう。

その通りだ、と真に受ける人もいるだろうか。

中国ではこんな旧弊なことが言われるよね」と、(中国への偏見から)考える人も、いるかもしれない。

けれど、実際に起きていることは違う。

最近も大きなバックラッシュがあり、多くの困難を抱えているけれど、少しずつ同性愛者の生きる社会を開こうとする努力をしている人たちがいる。それがネットのフォーラムにも表れている。状況は、そういうことだ。

それを、人口学者の勘違い気味のブログ記事を引っ張ってきて、「同性愛者が増加し、人口減少が懸念される」という説を作り上げているのは、なによりサーチナのこの日本語記事の書き手だろう。

  

これは中国の問題というより、日本語のメディアの問題だと思う。

(サーチナ中国企業だが、日本語の記事は日本人スタッフの手により日本の読者を想定して編集されているのだろう。)

  

サーチナの記事で,僕が腹立たしいと思ったことは、もうひとつある。

  

「2010E両会」の青少年網絡聨合盟による「同性愛者の人権」の論説は、上海サーチナ(新秦調査)にも3月12日付で転載されている。

  

关于人权问题-中国同性恋问题— 新闻调查—新秦調査

http://www.searchina.net.cn/survey/detail.asp?id=2459

  

「感谢会员searchina提供此次新闻内容(サーチナ会員が今回この記事を提供してくれたことに感謝します?)」という一文を冒頭に添えての転載だ。1994年にようやく非犯罪化された同性愛中国で置かれた状況を訴える論説のあと、「あなたの周りに同性愛者の友人はいますか?(你身边有同性恋的朋友吗?)」というウェブアンケートがついている。

  

日本語サーチナの記事の関連記事の

あなたの周りに同性愛者の友人はいますか?-中国人調査

http://www.searchina.net.cn/survey/result_jp.asp?id=2459

  

というところから飛べる。

けれど、この日本語版の方では、青少年網絡聨合盟の論説は全部省略されているし、あまつさえ、タイトルは「中国人口学者、一人っ子政策同性愛者を増やした?」になっている(中国語の方は、ちゃんと「关于人权问题-中国同性恋问题」だ)。

日本語だけ読む人には、「あなたの周りに同性愛者の友人はいますか?」というアンケートが、人権問題に関連しているとは思わないだろう。「どれほど同性愛者が増えているのか?」の調査のようだ。

  

人権問題が語られているということを、どこまでも無視したいのだろう。

  

3月13日追記

昨夜勢いでまとめたメモだが、いろいろと問題がある気がする。

僕は、サーチナの記事について、

同性愛についてあまり考えたことのない,偏見を持つ学者の勘違い的なブログ記事を、サーチナがもっともらしい説のように取り上げている」

ということを強調した。

  

けれど、現在の中国で起きているという性比率の不均衡が、同性愛者の存在が社会の脅威であるようなまことしやかな言説に利用される、同性愛者に対する偏見や抑圧を正当化に結びつけられるというのは、ありうること、現に起きていることだというのは事実だ。

中国語メディアを読む力はないが、1月11日、ロシアの保守的タブロイド紙が、中国同性愛解放を人口問題に結びつけて危険視(というか、揶揄?)するような記事を発表していたことを、遅ればせながらGEIRO.orgで知った。

  

中国同性愛者がおかれている状況、そしてロシアゲイ殺人事件—GEIRO.org

http://geiro.org/2010/01/17/chinaandrussia/

  

何氏のブログエントリやそれを取り上げたサーチナの記事は、中国での同性愛者に対するバックラッシュ正当化に、人口問題不安が駆り出されてゆく(「同性愛者が増えると人口が」というのは本当に古くさい偏見なのだが、新規にドレスアップして、もっともらしく肯定される)という潮流の表れかもしれないのであり、僕の見方は、それをあまりに矮小化しているかもしれない。

  

けれど、サーチナの記事は、そうした流れを捉えるのではなく、むしろ「作ろうとしている」性質のものだという点で問題なのは確か。

  

あと、日本語による日本語・日本社会での語られかた、読まれかたの問題。

何氏のように、同性愛について考えたことはない、と言いながらいい加減な意見を自ブログで述べる人は、日本でも珍しくない。

同性愛者が増えた」「でも同性愛者が増えると生殖が」とか、特に考えるでもなく発言する人に遭遇する例は、枚挙にいとまがない。

それをニュースに取り上げ、かの国で「専門家」に裏付けられた仮説のように発信するメディアの問題、それが一つ。

そしてそれが日本社会で、「また中国でおかしなことを言っている」というようなかたちで受け止められること。

Yahooニュースには、いつものことだが、いくつものチャイナフォビックなコメントがついている。

そのうちの一部は、このトンデモ推論に対する呆れの表明だ。

そこには、伝統的・保守的な中国では、こんな奇妙な説が出るのも不思議はない、とでもいうようなニュアンスが伴う。

しかし、個人ブログの自説に過ぎなかったこのトンデモ推論を、中国で行われている同性愛者権利運動のコンテキストをわざわざ省略して、発信しているのは日本語メディアだ。

日本語社会・日本社会の偏見やホモフォビアの発露なのに、その責任は“当然ホモフォビックな国であろう”中国に負わされる仕組みになっている。

僕が最も気持ち悪く思われるのは、この点だ。

それをうまく説明できるとよいのだけれど。

2009-10-07

第64回国連総会議長アリ・トレキ氏、「同性愛の非犯罪化」に反対する発言について

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9月15日から第64回国連総会が始まったが、今総会議長に就任したリビアのアリ・トレキ氏が、同月25日、国連で議論されているジェンダーセクシュアリティ人権の擁護に対し否定的な発言をしたことが、波紋を広げている。

みやきちさんの「みやきち日記」の記事で知った。

  

国連総会議長、同性愛を「容認できない」と発言ーみやきち日記

http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20090926/p3

  

発言の場面、Youtube画像

http://www.youtube.com/watch?v=ZbN0VDpqQbA

  

10月2日、トレキ氏は記者会見で同じ質問に「前に答えた通り」と述べ、撤回しない意思表明をした。

国連事務総長潘基文氏は、トレキ氏の発言に対してノーコメントである。

At UN, Ban Stands By as Ali Treki Stands Behind Anti-Gay Comments, U.S. Yet to React - Inner City News

http://www.innercitypress.com/un1gay100209.html

  

Ali Treki - en.Wikipedia

http://en.wikipedia.org/wiki/Ali_Treki

第64回国連総会議長 アリ・アブドゥサラム・トレキ氏—国際連合広報センター

http://unic.or.jp/unic/press_release/1285/

  

トレキ氏は1938年生まれ、リビアガリューニス大学で歴史学博士号、フランストゥールーズ大学で政治学博士号を取得。1976-1982年、1984-1986年に外相、1995-99年に駐仏大使をつとめたベテラン外交官だ。

国連では、3度リビアの常駐代表をつとめ(1982-1984年、1986-1990年、2003年)、1982−1984年には第4委員会委員長、1982年には第37回総会副議長に就任している。

  

このトレキ氏の今回の発言は、僕にとって大きなショックだったが、とりあえず、今回の発言の背景をおさらいする。

  

トレキ氏に対してどんな質問がされたのか、ネットのニュースでは間接的にしか伝わっていないのでいまいちはっきりしないのだが、彼が問われたのは、昨年12月の国連の声明に関する自身の立場についてだ。

  

世界人権宣言60周年にあたっていた2008年の第63回国連総会で、「性的指向性自認に関する宣言UN declaration on sexual orientation and gender identity」が提出され、日本を含む66ヶ国の賛同署名を得た。

性的指向性自認を各人の人権と認め、同性愛異性装を犯罪と見なすことや、性的指向性自認を理由とした不当な暴力・迫害の撤廃を各国に要請するものだ。フランスオランダの主導で作成され、アルゼンチンによって提出された。

  

UN declaration on sexual orientation and gender identity - en.Wikipedia

http://en.wikipedia.org/wiki/UN_declaration_on_sexual_orientation_and_gender_identity

声明全文翻訳と賛同国一覧は、ゲイジャパンニュースの次の記事参照:

国連総会に人権性的指向性自認に関する声明提出=日本含む66カ国が賛同 - ゲイジャパンニュース

http://gayjapannews.com/news2008/news145.htm

  

しかし、この声明には、反対も多かった。まずヴァチカンが反対した。また、イスラム国会議機構Organization of Islamic Conference主導による反対声明が、シリアによって提出され、57ヶ国の署名を集めた。

こちらの声明の原文は見あたらないのだが、だいたいの要旨がInternational Service for Human Rights国連総会レポートで紹介されている。

  

シリアの反対声明は、主にエジプトが周到に準備したことで、57ヶ国の支持を受けた。この声明は、「いわゆる『性的指向』『性自認』という概念」を疑問視し、これらの「不吉な」概念を国連に導入しようとする試みに「深刻な懸念」を示すものだった。賛同国は、これらの概念が「いかなる人権関連文書にも法的な基盤を持っていない」のみならず、これらの概念を承認することが、「小児性愛を含む多くの嘆かわしい行為を正常化し、おそらくは合法化することにつながり」かねないと主張した。さらに、そのような「新たな『権利』を・・・世界人権宣言や国際的条約を歪めることによって作り出す」試みは「・・・国際的な人権の枠組み全体を深刻な危機に陥れるだろう」。「他の人々の権利を犠牲にした人為的な差別を引き起こす恐れのある、特定の個人の権利を優先しようとする試みを慎しむ」ことが求められている。代わりに国家が求められているのは、「社会の自然かつ根本的な集団」としての家族を保護することである[と主張した]。前向きなことに、シリアの声明は、いかなる条件、いかなる状況において何人に向けられるものであっても「あらゆる種類のステレオタイプ化、排除、スティグマの付与、偏見、不寛容差別、暴力を強く批判する」ものであった。

Syria’s counter-statement, largely orchestrated by Egypt, was co-sponsored by 57 States.40 It questioned the ‘so-called notions of “sexual orientation” and “gender identity”’ and expressed ‘serious concern’ at the attempt to introduce these ‘ominous’ concepts into the United Nations. The co-sponsors asserted that not only did these concepts ‘have no legal foundations in any human rights instrument’, but recognition of them could usher in the ‘social normalisation, and possibly the legitimisation of many deplorable acts including paedophilia’. Further, such attempts to ‘create “new rights” …by misinterpreting the Universal Declaration and international treaties …[could] seriously jeopardise the entire international human rights framework’. States were urged to ‘refrain from attempting to give priority to the rights of certain individuals, which could result in positive discrimination at the expense of others’ rights.’ Instead, they were encouraged to devote special attention to protect the family as ‘the natural and fundamental group unit of society’. On a more positive note, Syria’s statement ‘strongly deplore[d] all forms of stereotyping, exclusion, stigmatisation, prejudice, intolerance, discrimination and violence’ directed at any person on any ground, anywhere.

  

New York Monitor: International Service for Human Rights, 24 December 2008, 8, accessed 4 February 2009

http://www.ishr.ch/index.php?option=com_docman&Itemid=&task=doc_download&gid=212.

  

Wikipediaによる解説。

An alternative statement, supported by 57 member nations, was read by the Syrian representative in the General Assembly. The statement, led by the Organization of the Islamic Conference, rejected the idea that sexual orientation is a matter of genetic coding and claimed that the declaration threatened to undermine the international framework of human rights,[3] adding that the statement "delves into matters which fall essentially within the domestic jurisdiction of states" and could lead to "the social normalization, and possibly the legitimization, of many deplorable acts including pedophilia."[4] The Organization failed in a related attempt to delete the phrase "sexual orientation" from a Swedish-backed formal resolution condemning summary executions.[3]

[edit]

  

この声明に賛同した国は、以下の通り。イスラム国会議機構の加盟国とだいたい一致するが、完全に一致するわけではない。

Afghanistan, Algeria, Bahrain, Bangladesh, Benin, Brunei Darussalam, Cameroon, Chad, Comoros, Côte d'Ivoire, Democratic People's Republic of Korea, Djibouti, Egypt, Eritrea, Ethiopia, Fiji, Gambia, Guinea, Indonesia, Iran, Iraq, Jordan, Kazakhstan, Kenya, Kuwait, Lebanon, Libyan Arab Jamahiriya, Malawi, Malaysia, Maldives, Mali, Mauritania, Morocco, Niger, Nigeria, Oman, Pakistan, Qatar, Rwanda, Saint Lucia, Saudi Arabia, Senegal, Sierra Leone, Solomon Islands, Somalia, Sudan, Swaziland, Syrian Arab Republic, Tajikistan, Togo, Tunisia, Turkmenistan, Uganda, United Arab Emirates, United Republic of Tanzania, Yemen, and Zimbabwe

  

  

これを考えると、リビアの代表であり、アフリカ連合アラブ連盟での活動のキャリアを持つトレキ氏が、この声明を「容認できない」というのは、まったく、少しも、不思議ではない。

  

だが、国連総会議長としての立場でそう発言したのは、多くの人を落胆させた(議長としては、形式だけでも中立的・調停的な立場を取って欲しかったと、僕は思う)。

  

そして、ネパール国会議員スニル・パント氏が怒りを込めて言ったように、トレキ氏は今は声なき人のことを考えて語るべきであり、彼の発言が政敵少数者への暴力や憎悪を正当化しかねないことを分かって欲しい。

Sunil Babu Pant Strongly Denounces Ali Abdussalam Treki, New President of the United Nations’ Unacceptable Views on Homosexuality - Gays Without Borders

http://gayswithoutborders.wordpress.com/2009/10/03/sunil-babu-pant-strongly-denounces-ali-abdussalam-treki-new-president-of-the-united-nations-unacceptable-views-on-homosexuality/

  

多様なジェンダーセクシュアリティを生きることを「普遍的」な人間の権利として、同性愛トランスジェンダーに対する不当な迫害・差別を撤廃しようとする動きと、ジェンダーセクシュアリティにかかわる異性愛中心主義的な規範を伝統・秩序として維持しようとする動きの、国連における攻防は、とにかく、長い。

  

辛いことだが、今はなお道の途上であり、この道が途切れさせないことが、大切なのだと思う。

LilyKittyLilyKitty2010/08/03 00:02全く残念な結果で、憤りを覚えました。「モントリオール宣言」にもあるように国連はこれまでLGBTの権利を否定、無視し続けて来ました。イスラム諸国を中心とした反発が国連を支配してきたからです。性的指向や性自認に関して「障害のある人の権利条約」のような正式な条約が未だにないこともこれを反映しています。しかし「移住労働者の権利条約」のようにEUをはじめすべての先進国が反発している正式な国際人権法に拠る「国際条約」も存在するのです。大変残念なことにヨーロッパ諸国に於いても「ジョグジャカルタ原則」と相いれない人権蹂躙が現存している地域が多いのです。実際1970年代まで同性愛を「犯罪」としてきた国もあるのです。人権裁判所も同性結婚を求める訴訟を全て却下しています。しかしながら欧州評議会は「ジョグジャカルタ原則」の実現に向けた法整備を行おうとしています。これが人権条約の一部(議定書)となれば加盟国は勿論、国連にも影響を与えることでしょう。2010年7月17日に国連経済社会理事会はやっと「国際レズビアン・ゲイ協会」を反対や棄権も相次いだなか、「付加勧告」にある「決議」に従い受け入れました。意外に思われるかもしれませんが、イスラムの聖典「クルアーン」には(新、旧約聖書と違い)同性愛を罪悪と規定した個所はありません。シャリーアも法学者の恣意によって解釈、運用されています。イランも「我が国に同性愛者はいない。」などという事実に異なった不自然な発言をしています。もはや「イスラム教」によって「同性愛」そのものを犯罪化することは不可能になりつつあると思います。たとえ異性間であっても婚約以前の性交を「姦通罪」として聖典に照らして裁くことが可能であっても。同性愛に反対している国は「性的指向、性自認に関する声明」に「無神論」を建前とする北朝鮮が反対したことからも窺えるように、性の問題以外に深刻な人権問題を抱えており政治的理由から反発しているわけです。むしろ真に恐ろしいのは例の「声明」に賛成しながら差別禁止法も持たない国であると思います。

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2009-06-15

堀江有里「キリスト教における「性的指向」概念援用の陥穽―「承認」を求める運動戦略への批判的考察―」(学会発表)

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宗教と社会」学会第17回学術大会(2009年6月6日(土)、7日(日)@創価大学)で、堀江有里さんが発表されたと、「群青 Blog版」で知る。

堀江有里「キリスト教における「性的指向」概念援用の陥穽―「承認」を求める運動戦略への批判的考察―」

  

学会大会のブログダウンロードできる要旨集で、要旨を読むことができる。

大会プログラム配布-「宗教と社会」学会第17回学術大会

http://jasrs.seesaa.net/article/118794581.html

  

興味深い部分を、一部引用させていただく(いいのか分からないが)。

とくに1980年代以降、キリスト教においては、一方では北米を中心に同性愛者排除の言説が強くなるとともに、他方では、同性愛者たちによる対抗手段として「承認」や「受容」を生み出すための当事者運動が広がってきた。後者は、同性愛者当事者のみならず、同性愛者の子どもをもつ親や友人たちなど、いわゆる「支援者」たちを巻き込んでの運動を展開している。

  

ここで注目したいのは、対抗手段として用いられる「承認」や「受容」を生み出すための振る舞いとその言説である。一例を挙げれば、「性的指向(sexual orientation)」という概念の使用がある。同性愛者は、性的な「趣味・嗜好」や「選好」(sexual preference)として認識されることによって、スティグマが付与され、「治療」の対象とされた時期があった。そのような認識に対し、「同性愛者であること」を変更不可能もしくは困難なものであると主張するために、「性的指向」という概念が援用されることとなった。たとえば、いわゆる一般社会におけるゲイ解放運動では、「性的指向」概念は、同性愛異性愛とも社会構築的な要素を強調するために「発明」された概念であったが、それがキリスト教において援用されるときに、“神に与えられたもの”として解釈され、変更不可能性もしくは困難が強調されていく傾向を生み出すこととなった。

  

言葉やその定義は、文脈によって変化しうるものである。しかし、このような変化が生み出されたがために、「アイデンティティ」を軸とした政治/運動は、さらに限界を露呈することとなったとも解釈することができる。このような事例の文脈を丁寧に読み解くことにより、あらたな「アイデンティティ」を軸とした政治/運動の可能性を模索したい。

2009-05-18

黙って隠れていれば殴られないんだから

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みやきちさんの、「スラヴィック・プライド09」のまとめエントリを読んで-

  

「黙って隠れていれば殴られないんだから、そうしろ」という意見こそが、性的少数者に対する抑圧であり、暴力です。そうした暴力と戦うために命懸けでスラヴィック・プライドに参加したすべての人に、あたしは心から敬意を表します。

  

いちばん心を打たれた一節だ。が、

  

「黙って隠れていれば殴られないんだから、そうしろ」

  

聞き覚えのある、見たことのある言葉だった。

  

2000年~2005年の東京地裁におけるイラン人ゲイ難民シェイダさん在留権裁判判決だ。

  

朝日新聞】「同性愛死刑」とイラン人の難民申請、東京地裁退ける

男性が来日前は同性愛者であることを隠して普通の生活を送っていたことを踏まえ「訴追の危険を避けつつ暮らすことはできる」と指摘。「自分が望む性表現 が許されないことをもって難民条約にいう迫害にはあたらない」と判断し、原告側の 主張を退けた。

  

共同通信同性愛者、難民と認めず:イラン人男性が敗訴

判決理由で市村陽典裁判長は「自分が望んでいる性表現が許されない、ということは難民条約上の迫害には当たらない」と指摘。「帰国しても刑事訴追の危険を避けることは可能で、格別の不都合はない」と述べた。

  

http://www.kt.rim.or.jp/~pinktri/shayda/articles.html*1

  

日本の司法制度のセリフだったのである。僕らはこれを忘れてはいけない。

*1:第一審判決文。第二審でもまったく変わっていなかったそうだ。

2009-05-15

Emergency Foundation (Canada), IDAHO 2009 Campaign, "Homosexuality Knows No Borders"

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Emergency FoundationによるカナダのIDAHOキャンペーンの今年のテーマは

Homosexuality Knows No Borders

だ。

http://www.homophobiaday.org/default.aspx?scheme=3651

  

IDAHOには、身近なホモフォビアの問題に取り組む以上に、世界でいまなお同性愛を非合法・迫害対象にしている国・地域・社会があることに注意を喚起し、国際的な支援や連帯を呼びかけるという主旨があると思う。

Emergency Foundationは今年、その方向性をハッキリ打ち出しているようだ。

http://www.homophobiaday.org/utilisateur/images/homophobie/banners2009/homophobia_200_150.jpg

  

どんなかたちで関わることができるんだろう、といつも考える。

これは同性愛差別だけに限ったことではないが、激しい差別人権侵害が起こっている国・地域について、「酷い国もあるんだなあ」「やっぱり宗教は怖いね」という"無関心"に行くのではない、直接的には何もできなくとも、せめて少しでも知ることから始めて、考え続けることができるような、関わりかたについて(虫が良すぎるか)。 

  

1年に1日考えたところで、気休めにもならないが(むしろもっとひどいことに、自己満足で終わってしまうが)、「せめて1日でもいい、考えろ」というためにあるのだと思う、このような日は。

1年に1日、1人でも多くの人が、1つでも多くのことを知れば、もしかしたらどこかで、それが1人の人の命を救うことになるかもしれない。

偶然の1人のための、何万か何億か分の1に少しだけ関わるようなことを、5月17日には書き、考えられたらいいのだが…。

  

Campaign 2009

  

Theme: Homosexuality Knows No Borders

  

Goal: To make the general population and, more specifically, ethno-cultural communities of all backgrounds more aware of gay and lesbian issues, and sexual diversity.

  

Since its first edition in 2003, the International Day Against Homophobia has grown larger year by year. With this, May 17 has become the prime moment to remember that homophobia still exists and that we must combat it.

  

The proposed goal for the 2009 Campaign is to make the general population and, more specifically, ethno-cultural communities of all backgrounds more aware of gay and lesbian issues, and sexual diversity. Ethno-cultural communities occupy an increasingly significant place in our societies. What’s more, contributions by these communities are invaluable to our country.

  

Not all of the world’s citizens are able to enjoy the privilege of living in an egalitarian society. In several countries, rights, such as the right to love a person of the same sex and have sexual relations with that person, are limited or violated.

  

In other countries, sexual orientation is recognised, for the same reasons as practising a religion, as a basic freedom, and discrimination on the basis of sexual orientation is illegal.

  

People from countries in which homosexuality is legally banned may have some of their own values challenged: what was prohibited in their country is allowed and legally protected in their host country.

  

Keeping in mind how homosexuality is a universal fact and that borders cannot be forced on it, the 2009 Campaign is aimed towards helping these people to become integrated within their host society and to make ethno-cultural communities aware of sexual diversity issues. In addition, LGBT people and their communities will benefit from their own community’s improved openness toward their issues.