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Ry0TAの日記

2009-07-01

2009年日本女性学会・パネル分科会①「同性間パートナーシップに関する諸問題」(2009年6月27日(土) 於東京・お茶の水女子大学)(ただのプログラムの引用です)

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※7月2日追記

Yu-uさんご自身からコメント欄でいろいろな訂正やご教示をいただきました。どうもありがとうございます。

また、下記リンクのYu-uさんのブログエントリの追記で、「場違い」とは具体的にどのようなものだったのか、Yu-uさんのご報告の内容や目的がどのようなものだったのか、詳しく説明されています。どうかお読みください。

  

Yu-u(堀江有里)さんの『群青 Blog版』で、日本女性学会での研究発表の記事を拝読する。

http://d.hatena.ne.jp/Yu-u/20090627

  

なぜ堀江さんの発表が「場違い」なのか腑に落ちない、とりわけ「同性婚と戸籍制度は別問題」なんていう発言が出るのか(ミヤマアキラさんによるレポートhttp://www.delta-g.org/news/2009/06/2009.html)、訳が分からない(※)。同性「婚(姻)」って、日本ではあからさまに戸籍制度の問題だろう。同性カップルが万全の法的保障を得る現在唯一の方法だって、どちらかの「戸籍に入る」ことだ。

※ミヤマさんがレポートで触れられていた「同性婚と戸籍制度は別問題」というコメントは、別の研究会で出されたものだったそうです(コメント欄参照)。当該の学会パネルで出たコメントだというのは、僕の思い込みによる間違いでした。お詫びとともに、訂正します。

  

どういう分科会だったのか、知りたくなったので、ウェブ上でPDFで公開されている日本女性学会ニューズレター116号の学会プログラム・要旨集から、当該の分科会のプログラム・発表要旨をコピー(いいのか分からないけど)させてもらう。

http://www.joseigakkai-jp.org/news/news116.pdf

  

(※ このあと、「同性間パートナーシップ保障の要求」と「現行の婚姻制度批判」の違いやズレについていろいろ想像したことを書いていたのですが、発表を聞いていない人間の妄想に過ぎたので、削除しました。すみません。)

  

同性間パートナーシップに関する諸問題

司会:青山薫

  

同性婚と人権―国際法・比較法の視点から

谷口洋幸

同性間の関係性を法的に保障する政策をもつ諸国は、この 20 年のうちに飛躍的に増えてきた。同性婚やパートナー関係法の制定は、人権の諸規範とどのような関係にあるのか。本報告では国際人権基準の展開と国内判例の比較を通して、同性間の関係性保障がいかなる意味で人権となりうるのか/なりえないのか考察する。

  

日本における「同性婚」の〈困難〉

堀江有里

日本社会でも同性間パートナーシップの保障を求める声が大きくなりつつある。これに対して社会運動のなかに

も慎重論や反対論も存在する。本発表では、同性婚などを求める議論が日本で引用される場合、抜け落ちがちである日本社会固有の問題、とりわけ戸籍制度の関連から考察したい。そのような作業をとおして、戸籍制度や、その基盤となる天皇制の問題に対して抵抗してきた社会運動の事例との接点を見出す試みを提示したい。

  

レズビアン(カップル)の仕事と経済の実態

釜野さおり

本報告では2002 年に実施した東京近郊在住の21人のレズビアンの聞き取り調査に基づき、彼女らの職歴および職業生活における経験を記述し、同居しているカップルの経済状況や家計管理などの金銭面を捉える。予備的分析では、彼女らの多くは不安定・非典型的な職につき、経済的に安定していないことが観察された。これらの実態について、レズビアンとして生きることの困難と希望に関係づけながらの解釈・考察を試みる。

Yu-uYu-u2009/07/01 17:51 トラバをありがとうございます。
 先ほどちらっと拝見して、後でゆっくり読ませてもらおうと思っていたら、削除されたのですね。残念!
 今回、三人の報告は個別のものであり、共通して一つのものをつくった、ということではありません。ほかの報告者の方々にご迷惑がかかると困るので、訂正しておきます。
 それから、補足しておきますと、ミヤマさんご紹介の記事については、今回のパネル分科会ではなく、ほかの場でのコメントです。

Yu-uYu-u2009/07/01 17:55 字数制限があるようなので、連投でごめんなさい…。
 ”場違い”についてですが、わたしが感じたこと(感情)が、RyOTAさんの「腑に落ちない」としても、感じ方ってそれぞれだし、ちょっと困っちゃいました。。。笑。

Ry0TARy0TA2009/07/02 09:22>Yu-uさん
コメントありがとうございます。不勉強ですが、いつもご著書や論文やブログを読ませていただいている者です。

今回は、ぶしつけにTBをお送りして、失礼いたしました。

ブログに書いていらしたご報告のテーマがとても興味深かったのですが、「場違いだった」という感想を漏らされていたことや、ミヤマアキラさんがレポートで述べられていた「同性婚と戸籍制度は別問題」というコメントがご報告のパネルの場で出されたのかと(勘違いして)驚いて、同性間パートナーシップというテーマには、現行の婚姻制度(戸籍制度や天皇制と関わる)を批判するという視座が乏しいのかな?という疑問を、思いつくままに書いてしまいました。しかし、そもそも発表を聞いてもいない人間が憶測を書いて流しては誤解を与えると反省して、削除しました。申し訳ありません。

分科会のお3方の報告が個別の関心からなされていたことは、ウェブ上に発表されている要旨集を読んでも理解できました。
ミヤマさんのレポートについての補足も、ありがとうございます。大きな誤解をしていました。勝手な思い込みで間違ったことを書いてしまい、申し訳ありません。

丁寧な追記を拝読して、Yu-uさんのご報告のより詳しい内容や意図を知ることができ、自分の考えが足りなかったことが、改めて分かりました。ありがとうございます。
  
あと、
>”場違い”についてですが、わたしが感じたこと(感情)が、RyOTAさんの「腑に落ちない」としても、感じ方ってそれぞれだし、ちょっと困っちゃいました。

「腑に落ちない」というのは、Yu-uさんが感じられたことが「腑に落ちない」のではなく、「その学会がYu-uさんに"場違い"感を抱かせるものだったということ」が腑に落ちない、というつもりでした。日本の婚姻制度・戸籍制度や天皇制の問題は女性学の対象で、Yu-uさんのご報告はむしろ同性間パートナーシップの諸問題と女性学を架橋する位置にあるように想像されたので、なんだか意外で「腑に落ちない」と感じたのでした。
誤解を与えるような書き方で、申し訳ありません。
これも含めて、このエントリを少し修正しようと思います。

ご多忙の中、僕のいい加減なエントリが、Yu-uさんに余計な心理的負担をおかけしてしまったようで、つくづく反省しています。本当に失礼いたしました。

Yu-uYu-u2009/07/02 14:12 RyOTAさん、とても丁寧なご返答をいただき、本当に恐縮です。。。わたしのエントリの説明不足が原因で、申し訳ないです。
 同性婚の件については、またいろいろと教えてください。書かれた文章、ぜひゆっくりと読ませていただきたかったのですが(…しつこい…)、またの機会によろしくお願いします!

Ry0TARy0TA2009/07/03 07:59>Yu-uさん
レスありがとうございます。こちらこそ大変恐縮です。
じつは、Yu-uさんのブログの追記を拝読し、ご著書の「パートナーシップ」の章(125-135)を読み直したのですが、自分が全然考えが足りなかった、理解できていなかったと痛感したところです(「とりわけ天皇制というシステムを持つ日本で、戸籍制度を問いながら、様々な「平等」を求めていくのであれば、<解体>しかないように思える」[133]という部分が、ようやく「そういう意味か!」と。ちゃんと理解できているか、分からないのですけど)。とてもなにか言ったり書いたりできる状態じゃなかったと分かりました(汗)。
まずは少しでも勉強してから考えようと思います。また勝手にお名前やご著作を引用してしまうかもしれませんが、そのときはどうかご容赦ください。

2009-06-13

レズビアン・マザーズに優しい保育園

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QTさんとサーさんのレズビアン・カップル子育て日記「こどもがほしいから」が好きである。

お子さんはいま保育園に通っているのだけれど、その保護者会についての最近のエントリに、舞い上がるほど嬉しくなってしまった。

あと親同士の自己紹介の時間があったんだけど、「モトの母のQTです」なんていう当たり前のセリフが妙に照れくさかったなあ。私って保護者なのね、と再確認。

ちなみにわざわざ片親であることには触れる必要もなく、そもそも旦那の話など一切出ず。精神的にとても楽です。

  

とはいえもうすぐ父の日。先月の母の日には、お母さんへのプレゼントを製作して持って帰ってきたので、当然父の日にも何かあるんだろうとは覚悟していた。

そしたら先日お迎えの時に担任の先生がちょっぴり神妙な顔で父の日のプレゼントについて話してきた。

「父の日のプレゼントなんですが、サーさん宛てに製作するので構いませんか?」と。

先生いい気配り!もしかして二人の関係に気づいてる?まあとにかくこれでサーも大喜び間違いなし

  

な ん て す て き な ん だ !

  

僕は、「子育て」の現場について、あたりまえだが何も分かっていない。

シングルペアレントの人たちのブログをいくつか拝読すると、母の日・父の日をやらない方針をとっている保育園もあるようだ。

けれど、幼稚園以上は違うらしい。幼稚園,小学校と子どもがどんな経験をしてゆくのか、不安を綴っているシングルペアレントのお母さんもおられた。

たしかに、感情的にもさらに成長してゆく子どもに、教育の場で「異性カップルの両親が揃った家族」という規範が与えられることによる影響に対する不安は、シングルペアレントの人たちにとって、心の負担になるのではないか…そしてそれは、レズビアンマザー、(まだあまり数は多くないと思われるが)ゲイファーザーも同じだ。

  

でも、保育園や幼稚園の先生たちの対応は、きめ細かい。そうした現場でダイバーシティを実現しているプロの人たちを、信じることができる。こういう「現実」のことを、もっと知りたい、と思う。

2009-04-29

次世代再生産とバイオテクノロジー(Judith Butler)

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ジュディス・バトラーの2001年のインタビュー。

The desire for philosophy - Lola Press

  

主題は多岐に亘るのだけれど、バイオテクノロジーによる次世代再生産についてのやりとり。

  

社会改革の手段としてのバイオテクノロジーについてはどうですか?フェミニストは、バイオテクノロジーで人工的に子どもを作るという可能性に反対しています。しかし、バイオテクノロジーによって自分自身で子どもを持つこと、そうして男性・女性の二元的な思考、古い異性愛システムをいつまでも再生産しないようにすることを求めて戦うフェミニストはいないのでしょうか?

What about biotechnology as a means of social transformation? Feminists are against biotechnology and the possibility of producing children technologically. But shouldn't there be a feminists fight for biotechnology and having children on our own and so trying not to reproduce the binary thinking of male and female, the old heterosexual system on and on?

  

いいえ。私はそうは思いません。私は、あらゆる種類の社会工学と言われるものに反対しています。私たちはどんな種類の人間が作られるべきかということを選択すべきではありません。そして、異性愛を克服するという目的で、バイオテクノロジーを[利用する権利を]求めて戦うということは、あるべきでないと思います。私が考えるのはただ、こういうことです。異性愛者は、いつでも再生産の技術を利用しています。異性愛者のカップルが子どもを欲しいと望んだ場合、かれらは通常ひとつの、またはそれ以外の再生産技術にアクセスします。私が問いたいのはただ1つ、同性愛者のカップルや独身女性はそのような技術に同様にアクセスすることができるのかどうか、ということです。私にとっては、それは権利についての政治的な問題なんです。

No. Not for me. I am against what we call social engineering of all kinds. We shouldn't be selecting what kinds of human beings should be made. And I think we shouldn't fight for biotechnology in order to overcome heterosexuality. My point is only: the heterosexuals make use of reproductive technology all the time. When a heterosexual couple wants to have children they get usually access to reproductive technology in one way or another. The only question I have is whether gay couples or single women are not given the same access to that kind of technology. For me it is a question of politics of access.

  

ふつーのことを言っとるのだが。

科学技術による再生産をどう捉えるか、社会の中に組み込んでゆくかは、さまざまな考えかたがある。

僕はバトラーと違って、テクノロジーによる次世代再生産は、望む人はやればいい、と思う。

だが、それには、関わる人間、生まれる子ども、精子提供者や代理母をトラブルに巻き込まないきちんとした制度が必要だ。

代理母制が、経済格差を利用したグローバル・ビジネスになっていることは、すでに有名だ。

また、特権的にいつでも再生産技術にアクセスできるのは異性愛者だけだといっても、例えば不妊治療が女性に大きな負担を強いているということや、人工授精による代理母出産が、「家の子ども」を作るという圧力のもと、近親の女性をほぼ強制的に巻き込むケースもあるということを考えると、単に「特権」という問題ではない。

次世代再生産・家族形成の多様化が、どんな倫理と制度を作っていけるかという問題である。

  

バトラーが指摘するのは、現在、次世代再生産技術・制度へのアクセスが、異性愛カップル以外の人間、独身女性(または男性)や同性愛者カップル(カップルでなくても、シングルでもいいわけだが)に不可能である、またはハードルが高いという、基本的な不均衡だ。

(バトラー自身は養子縁組で子どもを持っているが、子どもを持とうとしたとき、養子斡旋機関に「レズビアンという養親のカテゴリーを持たない」と拒絶されたという。結局、司法判断を仰いで養子縁組をすることができたが、州によっては難しい、自分は好運だったとインタビューの中で語っている。)

  

2009-04-26

「家族」についての日本の保守言論

| 10:42 | 「家族」についての日本の保守言論 - Ry0TAの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 「家族」についての日本の保守言論 - Ry0TAの日記

  

女性差別撤廃条約「選択議定書」について(1999年)

女性差別撤廃条約の選択議定書を採択ー国際連合広報センター

  

4月21日・自民党・外交部会で行われた討論に関する報道。

はてなブックマークーasahi.com(朝日新聞社):ひどい女性差別ある?ない? 自民部会で激論 - 政治

  

ブックマークコメントの反応にもうかがわれるように、すさまじい内容だったと思わせる報道だが、批准への反対意見として取り上げられている一言、「堕胎、離婚促進法だ」に、なんだかえらく既視感があった。

  

女性差別撤廃条約について行われていた議論については、e-politics@wikiがよくまとめていて、

国際人権条約 > 女子差別撤廃条約ーe-politics

  

リンクされた議員ブログをいくつか見たところ(全部は見ていない)、衆議院議員の戸井田とおる氏の発言らしいが、

女性差別撤廃条約選択議定書ー丸坊主日記

権擁護法の時にも人権侵害の事例も全くと言って良いほどはっきりと人権侵害と言われるような事例は無かったではないですか。男女共同参画基本法が出来てから、成立に合せたかのように十代の堕胎率と離婚率がうなぎ登りに上昇している。これでは離婚堕胎促進法ではないか。更に以前男女共同参画法について議論した時に、これからは「ジェンダー」と言う言葉は使わないはずだったのが、今は「ジェンダー」が溢れている。これはおかしい!日本の伝統文化に国連からとやかく言われる必要は無いと思います!!

  

女性差別撤廃条約についての議論で、どうやったらこんなこじつけが成立するのか分からないような主張だが、こじつけに引っ張ってこられた「堕胎」という言葉はさらに浮いている。

  

で、e-politicsが収録している転載フリーの報告(21日付)で納得した。

この問題に関する自民党内での議論はどうなっているのでしょうか?(2009/04/21)

  

報告をしているのが、「家族の絆を守る会」の岡本明子氏だ。

米国に拠点を置く保守系家族問題組織World Congress of Familiesの日本支部のサイトを運営し、国連NGOの1つとして国連で保守系のロビー活動をしているカトリック系家族問題NGOC-FAM(Catholic Family and Human Rights Institute)が発信するレポート「Friday Fax」(これは毎度宗教系保守のサイトにあっという間に転載される)を日本語訳してきた。

2007年5月に「家族の絆を守る会」が成立しブログが開設されてから、発表の場をそちらに移している(WCF-Japanの更新は2007年7月まで)。

    

アメリカの宗教系家族問題保守のネットワークと、日本の保守系ネットワークのそれへのにリンクついては、

ジョグジャカルタ原則と「家族」

  

C-FAMはカトリック系組織であるためか、国連で議論されているリプロダクティブ・ヘルス&ライツを含む女性の人権の問題や、ジョグジャカルタ原則と性的少数者人権問題などに取り組む国連職員・特別報告者・国連NGOなどのことを、「妊娠中絶(abortion)を促進する職員」「小児性愛や性転換を勧めるNGO」といった表現で非難するのが定番になっている。フライデー・ファックスで連呼される「妊娠中絶(abortion)」を、岡本氏はいつも「堕胎」と訳している。

  

「堕胎」という言葉を選ぶのは、これは単なる推測に過ぎないが、刑法の堕胎罪を意識しているのだろうか。

堕胎罪ーウィキペディア

第二十九章 堕胎の罪ー刑法第二編ー法律条文集ーUltima ratio

同じ法律でも、優生保護法においては「人工妊娠中絶」という言葉が使われる。

母体保護法ー総務省法令データ提供システム

なにを意図しているのか分からないが、刑法の用語である「堕胎」という言葉をわざわざ使うのは、やむを得ない人工妊娠中絶を含む女性のリプロダクティブ・ライツに対する侮蔑であるように僕には思える。

  

21日の外交部会で出た「堕胎離婚促進法」が、岡本氏によるC-FAM通信翻訳の影響のなせるわざか否かというのは、僕の印象に過ぎないし、邪推に留まるのだが。

「家族の絆を守る会」は、今回の女性差別撤廃条約議論についての発言をアップしていないが、条約に反対する自民党の動きに与しているのは、明らかなんだろう。

  

「家族の絆を守る会」のブログに記名はないが、World Congress of Familiesの会議にも参加し、その報告を発信している。

World Congress of Familiesについて、前の日記で「極端に過激なことを言っているわけではない」と評価を書いたが、僕個人は、この組織を認めたくない。

かれらが主張する「家族」の定義というのは、

「家族=言わなくても分かる」「家族は自明、肯定的に捉えられるべきもの」

で、この判断停止ぶりは「家族」をめぐって起こる問題の現実をあまりに見ていない。また当然のように同性婚には強く反対しており、認めているのは異性愛家族のみである。

人権問題に対するWorld Congress of Familiesの立場表明は、「家族の絆を守る会」ブログにマメに翻訳紹介されているが、これもかなり問題があるうえ、どこかで聞いた言葉にそっくりである。

  

断片的な情報だが、「家族」や「女性」をめぐる日本の保守言論は、本人たちが言っているほど「日本の伝統」に則しているわけではなく、アメリカに拠点を置くグローバル保守運動とリンクすることによって作られているかもしれないことを、いちおう、メモ。

2009-04-12

ルパート・エヴェレット「ゲイが子どもを持つのは利己的で虚栄だ」

| 13:24 | ルパート・エヴェレット「ゲイが子どもを持つのは利己的で虚栄だ」 - Ry0TAの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - ルパート・エヴェレット「ゲイが子どもを持つのは利己的で虚栄だ」 - Ry0TAの日記

  

Rupert Everett: 'Gay men who have children are egocentric and vain'-Pinknews.co.uk

Pinknews.co.ukの4月8日付記事。

うはは、エヴェレット様。

  

俳優ルパート・エベレットが、子どもの父親になり結婚するゲイを、「利己主義的で、虚栄心が強い」と呼んで攻撃し始めている。

Actor Rupert Everett has launched an attack on gay men who father children and get married, calling them "egocentric and vain".

  

Daily Beast websiteとの談話で、このオープンリー・ゲイのスターは、ゲイ・カップルの代理母制度利用は「まったくゾッとする」ものであり、そうしたゲイ・ムーヴメントをして「中産階級的な古くさいオカマだらけだ」と表現した。

Speaking to the Daily Beast website, the openly gay star said that surrogacy for gay couples is "absolutely horrendous" and described the gay movement as "full of middleclass old queens".

  

彼は言う、「僕は代理母制なんてものはクズだと思う。本当にゾッとする。利己主義的で、うぬぼれだと思う」。

He said: "I think this surrogacy thing is crap. It is utterly hideous. I think it's egocentric and vain.

  

「それに、あの果てしない体外受精(IVF)の処置をやり遂げなきゃならないということもだ。つまり、子どもが欲しいというのは、それはすばらしいことだよ。だが、2人のゲイが精液をカクテルシェーカーで混ぜ合わせて、誰か顔を引きつらせたレズビアンに受胎させて、それからそれを取り出すなんてのは、本当に気味悪いだけだよ」。

"And these endless IVF treatments people go through. I mean, if you are meant to have babies then great. But this whole idea of two gay guys filling a cocktail shaker with their sperm and impregnating some grim lesbian and then it gets cut out is just really weird.

  

「もし僕が親になりたいと強く思ったら、養子縁組をするかー里子を引き取るだろう。だが、僕らゲイについて,親になるというアイディアばかりに焦点を当てられるこの現状は、あまりに嘘っぽいよ。結婚?赤ん坊?止めてくれ。僕はイリーガルでいたい。主流を外れて生きていたいんだ」。

"If I did have the impulse to be a parent, I would adopt - or foster. But this whole thing of forcing the idea of parenthood on us gay men is so bogus. Marriage? Babies? Please. I want to be illegal. I want to live outside the mainstream."

  

彼はこう付け加える。「それとも、僕が少々先を行っているんだろうか?変化が必要だよ。ああいう恐ろしい中産階級的なオカマはー彼らのせいでゲイ・ムーヴメントがどうなったかーあまりに退屈だ。Abercrombie & Fitch[ブランド名]にベビーカーってか。誰でも自分がしたいようにする権利がある。っていうのにまだ…」

He added: "Or am I slightly ahead of the curve? It has to change. These awful middle-class queens - which is what the gay movement has become - are so tiresome. It's all Abercrombie & Fitch and strollers. Everybody has the right to do what they want to do, but still…"

  

たまたま、偶然だけど、ゆうべ仕事しながら『予告された殺人の記録』を観て、ああルパ様このころは若かったな〜カッコ良かったな〜(今はどうかな〜)と感慨にふけっていたのだ。

それがどうだ、相変わらず、カッコいいじゃないか!

  

僕は、ゲイの次世代再生産に賛成だ。

僕自身が、子どもの親になりたいと長く思っていたためでもある。

ゲイが家族を作る手段として、人工授精や代理母制という技術を使うことも、いいと思っている。

(むろん、レズビアン・カップルの精子提供による家族作りも同様だ)

そのための手続きや、アフターケアのガイドラインを十分に整えるという努力を、十分に行ってだ。

(たとえば、体外受精で生まれた子どもに関しては、自分の遺伝子上の親を探す権利についても議論がされている。体外受精による家族作りは、そういうことも当然の前提として含んでおくべきだと僕は思う。)

だが、「親子は遺伝子上のつながりがなければならない/あったほうがいい/あるにこしたことはない」というような考えかたには、僕は反対だ。

  

ここで、エヴェレット様の発言の背景を考えてみる。

うろおぼえの記憶で、記述にまったく責任が取れないのだが、体外受精によるレズビアン・ゲイの子ども作りが行われるのは、「自分の遺伝子を持つ子どもがよい」という思い込みだけではなく(そういう考え方をするレズビアン・ゲイも、またそれなりにいるのだろうが)、クリスチャニティが深く関わっている養子縁組制度が同性愛者に厳しい、という事情も関係しているのではないかと思う。

そうした事情もあり、同性愛者が体外受精で子どもを持とうとする、それに対し拒否的反応(保守的な人びとの、同性愛者が家族形成すること、また科学技術で"人工的"に子どもを作ることへの反発)が社会から来る、それに対し同性愛者権利運動は反論する…

そういう循環が、生じているとも考えられる(完全に想像だが)。

  

だがその権利のための運動が、すでに狭量な価値観に落ち込んでいる。

なぜ遺伝子を共有することで「家族」を作らなければならないのか。

家族は「結婚」や「遺伝子」によってしか作れないのか。

そもそも、なぜ「家族」を作ろうと思う必要があるのか。

人が生きたいように生きる権利がある。結婚しようとしなかろうと、家族を作ろうと作らなかろうと。人が生きるための選択を妨げ、あるいは貶める社会と制度の不当性、それを叫んでいたのではなかったのか。

「結婚」をし「子ども」を作る(なんたって少子化時代だから!)「よい同性愛者」であることを理由としてしか、異性愛者と対等の権利を要求できないゲイ権利運動を、「中産階級的な古くさいオカマ」となじるルパ様は、クィア的にはたぶん非常に正しい。

  

(追記)

エヴェレット様のお言葉の訳があまりに駄訳だったので、少し修正。

特に「But this whole thing of forcing the idea of parenthood on us gay men is so bogus. 」の箇所は、完全な誤訳だった。「ゲイ=親になりたがっているとばかり言われるのは、現実を反映してない(子どもを持つことになんか興味ないゲイもたくさんいる)」という意味だろう。

  

もちろん、結婚や子どもにまるっきり関心のないゲイも大勢いるってことは、同性愛者に異性愛者と対等な家族形成の諸権利を認めねばならないということと、少しも矛盾しない。「マイノリティは真面目に切実に(マジョリティ以上に必死なぐらい)その権利を求めているのだから、認められるべきだ」と取られることが、そもそもおかしいのだ。

  

(追記)

上記のなかで無茶苦茶アバウトなことを書いた同性カップルの養子縁組@英国について。

Adoptation - Stonewall

2002年制定のThe Adoption and Children Actにより、イングランド・ウェールズで同性カップルを含む非婚カップルの養子縁組が可能になった(2005年3月より施行)。

Stonewallの見解によると、公的機関が同性カップルの養子縁組申請を拒否する例は見られないが、結婚した夫婦にのみ養子を斡旋する方針を持つ宗教的な養子斡旋機関などが拒否する可能性はある。

  

スコットランドでは、2006年にthe Adoption and Children (Scotland) Act 2007が通過。

同性カップルは、異性カップルと同じように、カップル双方が親権を持つ養子縁組ができるようになった。

  

No exemption for churches in UK gay adoption law - January 31, 2007 - The Sydney Morning Herald

The Equality Actにより、2008年末以降、宗教機関も同性カップルの養子縁組申請を拒否できなくなった。

  

Agencies obey gay adoption rules - 1 January 2009 - BBC News

The Equality Actの移行期限が失効した2009年1月1日、同性カップルへの養子斡旋に抵抗していたカトリック系機関なども、法に従うことに。